『朧ぐ』
「閉塞感」と「暖かみのある虚ろさ」をテーマに、植物に囲まれた少年のイラストを描きました。
こういうのが一番好きなテイストの一つでもあるので、いつにも増して気合を入れて制作に臨めた気がしています。制作過程はこちら。
1、資料収集(アイデア探し)
Pinterestで「何となく好きだなあ」と思う画像をひたすら集めてゆきます。この段階ではまだ明確なテーマは決めず、気分のままピンを追加します。
2、集めた資料の好きポイントを探す
1、で「何となく好きだなあ」と思ったピンの「何となく」が何なのかを言語化してゆきます。
Pinterestに最近追加されたノート機能を使うとピン下画像とメモを簡単に紐づけられるので便利です。
この段階で出たメモはこんな感じ
- 木の根の絡み合う閉鎖的な感じとリッチな奥行き
- 濁った色の暖かな水
- 不安定な位置に人がぽつん
- 光が後ろから差している方が神秘的? etc....
3、ラフ作成
2、で出したメモの要素を取り入れたラフの案出しをひたすらします。
4、テーマ決定
2、の段階でテーマを絞るということをせず、あれこれ要素を詰め込みすぎたラフ案ばかりになっていることに気づいたので、改めてテーマを模索します。
そういえば「テーマはちゃんと絞って伝えろ」って、Youtubeのお絵描き講座動画でさいとうなおきが言ってた。
水とか広めの背景とか描きたかったんだけどなあ・・・。泣く泣くそれらを切り捨て、テーマを「閉塞感」と「暖かみのある虚ろさ」に決定しました。
こうテーマをばしっと明確に決めるとなると、その判断が自分の性癖として突きつけられるわけで、テーマを決めるだけで小っ恥ずかしくなりますね。創作をする人がよく「変態になれ」というのはきっと、「己の性癖に向き合え、テーマをそこに全集中しろ」ってことなんだろうな。
5、ラフ作成
3、と同じ工程。テーマが明確だからか、割とすんなりいきました。テーマ決定超大事。
絵の魅せ方の工夫も今回は戦略的に詰め込んでいて、
- 囲う植物はとげとげした攻撃的なシルエットに=外界からの遮断のイメージ、人物への集中線・視線誘導効果
- 人物の周りの植物は丸くやわらかな形=優しさと温かさ
- 人物で見せたい部分は顔や手だけなので、そこにフォーカスするために全身は入れない
等々。ここまで戦略立てたことがかつてあったでしょうか。これもまた、Youtubeのお絵描き講座動画でさいとうなおきが言ってたことの応用です。さいとうなおきに感化されすぎである。
6、資料収集
描くものが決まったので、改めて資料を集めます。今度は1、とは違って植物のディテール・色使い・人体構造等々の実用的な資料。実際に描く段階でも、その都度資料は集めているんだけどね。
とげとげの植物の名前は「カラタチ」というそうですよ。謎に知識が増えました。
7、下絵作成~塗り
ここからは動画で。構図も色彩も表情も途中で大幅に変更していて、気づいたら26時間も制作にかけていました。20時間超耐える体力だけはついたってことで良い気もするけど、後から見返すと初動でミスっている感が否めないですね・・・。
戦略として両サイドを木で囲って閉塞感を出そうとしたのですが、逆効果で空間が開いてしまったのと、虚ろにしては目の閉じ方が甘かったっぽい。表情については今までここまで粘ったことがなかったので、満足はしきっていないけど健闘はしたかなあと思う。ピクセル単位でガラッと変わるんだもん・・・難しいね・・・。
今回のイラストの総括。
見せたい部分を明快にして、構図表情色合いモチーフ全て一点集中で決め撃ちする。しつこくしつこく修正していればなんとかなる。以上。20時間粘り続けて、手を動かしている時間以外にもあれやこれやと苛まれていたので、さすがに疲れました。もう終わらせてくれしかない。
次は背景メインのイラストを描きたいですね。アニメーション背景みたいな。明るくてからんとしたオーソドックスなやつ。・・・とか言ってどうなるかなんてわからないけどね。
以上、ここまでお読みいただきありがとうございました。
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